Japanese
English
症例報告
化学療法抵抗性であったpilomatrix carcinomaの1例
A case of pilomatrix carcinoma resistant to chemotherapy
橋本 彩
1
,
稲葉 豊
1
,
下松 達哉
2
,
山本 有紀
1
,
藤本 正数
3
,
村田 晋一
3
,
神人 正寿
1
Aya HASHIMOTO
1
,
Yutaka INABA
1
,
Tatsuya SHIMOMATSU
2
,
Yuki YAMAMOTO
1
,
Masakazu FUJIMOTO
3
,
Shinichi MURATA
3
,
Masatoshi JINNIN
1
1和歌山県立医科大学皮膚科学教室
2和歌山ろうさい病院皮膚科
3和歌山県立医科大学人体病理学教室
1Department of Dermatology, Wakayama Medical University, Japan
2Division of Dermatology, Wakayama Rosai Hospital, Japan
3Department of Human Pathology, Wakayama Medical University, Japan
キーワード:
pilomatrix carcinoma
,
腫瘤
Keyword:
pilomatrix carcinoma
,
腫瘤
pp.61-66
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205931
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要約 50歳代,女性.初診の10年前より右膝部に腫瘤が出現し,1年前より急速に増大した.PET-CTや造影CTによる全身精査では鼠径リンパ節転移,多発肺転移,さらには骨転移を疑う所見がみられた.全摘標本の病理組織所見では,好塩基細胞と好酸性細胞で構成された不整形の胞巣の浸潤を認めた.好塩基細胞に強い核異型を認め,また陰影細胞の存在が示唆されたことから,pilomatrix carcinomaと診断した.シスプラチンおよびドキソルビシン,更にはイリノテカンを用いた化学療法を行ったが,転移巣の縮小を認めなかった.Pilomatrix carcinomaはhair matrix cell由来の稀な悪性腫瘍である.石灰化上皮腫や有棘細胞癌との臨床・病理組織学的鑑別は時に困難である一方で,治療法は確立しておらず,化学療法の有効性についての報告は少ない.文献的考察を加えて報告する.
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