Japanese
English
症例報告
原発性皮膚γδT細胞リンパ腫の1例
A case of primary cutaneous γδT-cell lymphoma
渡邉 遥
1
,
田中 麻衣子
2
,
杉本 紘子
3
,
濱田 利久
4
,
吉野 正
5
,
片岡 和洋
6
,
秀 道広
1
Haruka WATANABE
1
,
Maiko TANAKA
2
,
Hiroko SUGIMOTO
3
,
Toshihisa HAMADA
4
,
Tadashi YOSHINO
5
,
Kazuhiro KATAOKA
6
,
Michihiro HIDE
1
1広島大学病院皮膚科
2マツダ病院皮膚科
3山口大学医学部付属病院皮膚科
4高松赤十字病院皮膚科
5岡山大学大学院医歯薬学総合研究科病理学(腫瘍病理/第2病理)
6片岡皮膚科
1Department of Dermatology, Hiroshima University Hospital, Hiroshima, Japan
2Division of Dermatology, Mazda Hospital, Hiroshima, Japan
3Department of Dermatology, Yamaguchi University Hospital, Ube, Japan
4Division of Dermatology, Takamatsu Red Cross Hospital, Takamatsu, Japan
5Department of Pathology, Okayama University, Okayama, Japan
6Kataoka Dermatology Clinic, Kure, Japan
キーワード:
皮膚悪性リンパ腫
,
原発性皮膚γδT細胞リンパ腫
,
皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫
,
βF1
,
CγM1
Keyword:
皮膚悪性リンパ腫
,
原発性皮膚γδT細胞リンパ腫
,
皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫
,
βF1
,
CγM1
pp.67-72
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205933
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要約 53歳,女性.初診6か月前より右前腕屈側に弾性軟の皮下硬結を自覚した.初診1か月前に皮膚生検を施行され,悪性リンパ腫を疑われたため精査加療を目的に当科を紹介され受診した.病理組織所見では真皮下層から皮下脂肪織にかけて異型リンパ球を認め,免疫染色ではCD3,CD56,TIA-1,CγM1が陽性であり,原発性皮膚γδT細胞リンパ腫T1aN0M0 stage 1と診断した.CHOP療法3コース施行後に右前腕の腫瘤は消退したが,放射線療法中に左下腿に硬結が出現し,皮膚生検にて原疾患の再発と診断された.血液内科に転科しSMILE療法1コースを施行したが,経過中に再度硬結が出現し血縁者間骨髄移植を施行した.骨髄検査で生着は確認したものの,術後の合併症の悪化により骨髄移植5か月後に永眠した.本疾患は報告された症例が少なく治療方法が確立されていない.予後不良の疾患であり,病理所見から本疾患が疑われた場合は適切な免疫染色等を行い早期に診断を確定することが重要である.
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