Japanese
English
症例報告
乳児に発症したsteatocystoma simplexの1例
A case of steatocystoma simplex in an infant
亀井 千紗都
1
,
東田 理恵
1
,
楠谷 尚
1
,
清水 奈美
1
,
岡林 綾
1
,
中川 浩一
1
Chisato KAMEI
1
,
Rie TOHDA
1
,
Nao KUSUTANI
1
,
Nami SHIMIZU
1
,
Aya OKABAYASHI
1
,
Koichi NAKAGAWA
1
1済生会富田林病院皮膚科
1Department of Dermatology, Tondabayashi Hospital, Tondabayashi, Japan
キーワード:
steatocystoma simplex
,
単発性脂腺囊腫
,
超音波検査
,
小児
,
囊腫
Keyword:
steatocystoma simplex
,
単発性脂腺囊腫
,
超音波検査
,
小児
,
囊腫
pp.51-54
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205929
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要約 3か月,男児,左上眼瞼外側部の皮下の小結節に家族が気付き受診した.初診時,左上眼瞼外側に径8mm大,弾性硬の皮下結節がみられた.超音波検査では,点状の高エコー像がみられたため,石灰化上皮腫の臨床診断にて切除したところ,病理組織学的所見において皮下脂肪織内に重層扁平上皮で囲まれた囊腫構造を認めた.囊腫壁は顆粒層を経ずに角化しており,囊腫壁の内側には好酸性に染まる無構造の膜様物(hyalinized cuticle)が観察された.囊腫壁内に脂腺細胞が確認できた.他部位に同様の結節を認めず,以上の所見からsteatocystoma simplexと診断した.本邦報告例を渉猟したところ,自験例を含めて26例が報告されていた.自験例は最年少症例であった.男性16例,女性10例と性差はほぼなく,初診時年齢も0〜80歳と広範囲に分布していた(平均年齢は48.9歳).乳児の皮下結節を診たときには,steatocystoma simplexも鑑別診断に入れなければならない.
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