Japanese
English
治療
認知症高齢者グループホーム入所者における疥癬集団発生例—ステロイド外用薬を投与したため再燃した患者が感染源となった事例
An outbreak of scabies among the elderly group home residents with dementia:The infection source is the patient who had a relapse of scabies and was treated with topical steroid ointment
伊藤 算昭
1
,
谷口 裕子
1
,
松尾 典子
1
,
大滝 倫子
1
,
廣瀬 至
2
Kazuaki ITOH
1
,
Hiroko TANIGUCHI
1
,
Noriko MATSUO
1
,
Noriko OHTAKI
1
,
Itaru HIROSE
2
1九段坂病院皮膚科
2廣瀬皮膚科
1Division of Dermatology, Kudanzaka Hospital, Tokyo, Japan
2Hirose Hifuka Clinic, Tokyo, Japan
キーワード:
認知症
,
角化型疥癬
,
爪疥癬
,
イベルメクチン
,
ストロメクトール®
,
フェノトリン
,
スミスリン®
Keyword:
認知症
,
角化型疥癬
,
爪疥癬
,
イベルメクチン
,
ストロメクトール®
,
フェノトリン
,
スミスリン®
pp.1012-1018
発行日 2019年11月1日
Published Date 2019/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205890
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要約 認知症高齢者グループホームにおいて角化型疥癬5名(1名は他院で診断・治療後死亡),通常疥癬9名が発症した事例を経験した.感染源と思われる角化型疥癬患者は膜性腎炎のためステロイド5mgを内服中で,1年前に近医で疥癬と診断され,疥癬治療の1か月後より湿疹の診断で全身にステロイドを外用していた.疥癬患者13名の治療としては,角化型疥癬ではイベルメクチン内服あるいはフェノトリン外用を合計4〜6回実施した.通常疥癬では3例は2回で治癒したが,6例は3〜6回の投与が必要であった.通常疥癬で5〜6回投与した患者は,疥癬トンネルの多い症例(通常疥癬の重症型),認知症のため診察・外用を拒否する患者であった.治療期間の短縮のため,症例によっては内服・外用の併用,疥癬トンネル多発部位へのフェノトリンの連日塗布を考慮したほうが良い場合もあると思われた.
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