Japanese
English
症例報告
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の加療中に皮下結節として認められた男性乳癌の1例
Breast cancer manifesting with a subcutaneous nodule in a male patient treated for diffuse large B cell lymphoma
笠 ゆりな
1
,
岩橋 ゆりこ
1
,
大草 健弘
1
,
金澤 あずさ
1
,
宇野 裕和
1
,
中田 土起丈
1
Yurina KASA
1
,
Yuriko IWAHASI
1
,
Takehiro OHKUSA
1
,
Azusa KANAZAWA
1
,
Hirokazu UNO
1
,
Tokio NAKADA
1
1昭和大学藤が丘病院皮膚科
1Department of Dermatology, Showa University Fujigaoka Hospital, Yokohama, Japan
キーワード:
男性乳癌
,
diffuse large B cell lymphoma
,
非浸潤性乳管癌
,
ductal carcinoma in situ
,
囊胞内乳頭癌
Keyword:
男性乳癌
,
diffuse large B cell lymphoma
,
非浸潤性乳管癌
,
ductal carcinoma in situ
,
囊胞内乳頭癌
pp.1007-1011
発行日 2019年11月1日
Published Date 2019/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205889
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要約 74歳,男性.完全寛解したびまん性大細胞型B細胞リンパ腫の経過観察中であった.皮膚科初診1年前に左胸部に皮下結節が出現し徐々に増大した.左乳輪下に径30mmの下床との可動性が良好な皮下結節を触知した.CTでは被膜に包まれた低信号域の境界明瞭な結節を認めた.4か月後に擦過時に疼痛を自覚するようになり,6か月後に摘出した.組織学的に皮下脂肪織に線維性の壁を有する囊胞性病変が存在し,囊胞内の一部では腺房様配列を示す腫瘍細胞の乳頭状ないしは結節状増殖が認められた.周囲には乳管様腺管を認めた.腫瘍細胞はp53陰性で,CK5/6,CK14陽性細胞は少数であったが,ER,PgR染色では90%が陽性を呈した.以上の所見より非浸潤性乳管癌の一亜型である囊胞内乳頭癌と診断した.乳癌は男女差が顕著であり,男性患者では積極的に鑑別に挙がりにくい疾患であるが,乳輪下に生じた結節に対しては念頭に置く必要がある.
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