Japanese
English
原著
角化型疥癬を感染源とした保育園疥癬集団感染例
An outbreak of scabies in a nursery from a child with crusted scabies
牧上 久仁子
1
,
小野田 雅仁
2
,
小竹 伊津子
3
,
石井 則久
4
Kuniko MAKIGAMI
1
,
Masahito ONODA
2
,
Itsuko KOTAKE
3
,
Norihisa ISHII
4
1つばさ在宅クリニック
2おのだ皮膚科
3コタケ皮膚科医院
4国立感染症研究所ハンセン病研究センター
1Tsubasa Home Care Clinic, Funabashi, Japan
2Onoda Hifuka Clinic, Yokohama, Japan
3Kotake Hifuka Clinic, Fujisawa, Japan
4National Institute of Infectious Diseases, Leprosy Research Center, Tokyo, Japan
キーワード:
疥癬
,
集団感染
,
角化型疥癬
,
乳幼児
,
保育園
Keyword:
疥癬
,
集団感染
,
角化型疥癬
,
乳幼児
,
保育園
pp.942-947
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103807
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要約 ステロイド外用により角化型疥癬を発症した4歳児が感染源となった園児18名,家族7名,職員3名が疥癬を発症した保育園集団感染を経験した.初発患者はアトピー性皮膚炎以外に健康上問題なく,クロタミトン外用では再発を5回繰り返し,イベルメクチンを投与し治癒した.再発は二次感染者(園児8名,保護者2名)でもみられた.全関係者が治癒と判定されるまでに18か月を要した.再発に加えて,乳幼児では成人に比べ疥癬後遺症状の頻度が高く治癒判定が難しいことも終息に時間がかかった要因と考えられた.本事例では通常保育のクラスでの感染以外に,家庭内や,土曜保育での感染が認められ,感染対策にあたって保育状況を把握する必要があった.本事例は,関係者と地域の医療関係者に集団感染の認知直後から疥癬に関する情報提供を行い,パニックは起こらなかった.
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