Japanese
English
症例報告
動物疥癬の1家族例—タヌキから感染した飼いイヌとの接触により発症
A family case of animal scabies due to a pet dog probably transmitted by wild raccoon dog
松尾 典子
1
,
谷口 裕子
1
,
大滝 倫子
1
Noriko MATSUO
1
,
Hiroko TANIGUCHI
1
,
Noriko OHTAKI
1
1九段坂病院皮膚科
1Division of Dermatology, Kudanzaka Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
動物疥癬
,
イヌヒゼンダニ
,
イベルメクチン
,
タヌキ
Keyword:
動物疥癬
,
イヌヒゼンダニ
,
イベルメクチン
,
タヌキ
pp.431-434
発行日 2015年5月1日
Published Date 2015/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204465
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要約 症例1:67歳,男性.体幹,大腿に掻痒の強い丘疹が多発し,当科を受診した.初診時,体幹,大腿前面に粟粒大の紅斑性丘疹が多数散在していた.症例2:65歳,女性.症例1の妻.体幹,大腿部に掻痒の強い丘疹が多数みられた.飼いイヌに脱毛,痂皮を生じ,初診10日前に動物病院でイヌ疥癬と診断されていた.持参した飼いイヌの痂皮の鏡検でヒゼンダニの虫体・卵を多数認めたが,症例1,2ともに皮疹から虫体,卵は検出されず動物疥癬と診断した.イヌの発症前より自宅周辺に脱毛のあるタヌキが出没し,イヌの飼育場所でタヌキに餌やりをしていた.飼いイヌに他のイヌとの接触はなく,イヌ科であるタヌキの疥癬が飼いイヌに感染し,イヌとの接触で家族が発症したと考えた.イヌは獣医よりイベルメクチンを投与され,家族はステロイド外用,抗アレルギー薬内服を行い治癒した.症例1は難治であったため問診したところ,夜間未治癒のイヌと寝ていたことが判明した.罹患動物の隔離の重要性を再認識した.
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