Japanese
English
症例報告
クラゲ刺傷によって発症したと考えられた納豆アレルギーの1例
A case of fermented soybeans, natto, allergy potentially induced by jellyfish stings
木下 ひとみ
1
,
中村 吏江
1
,
幸 絢子
1
,
天野 愛純香
1
,
白石 剛章
2
,
森本 忠雄
3
Hitomi KINOSHITA
1
,
Rie NAKAMURA
1
,
Ayako YUKI
1
,
Asuka AMANO
1
,
Yoshinori SHIRAISHI
2
,
Tadao MORIMOTO
3
1呉医療センター・中国がんセンター皮膚科
2岩国医療センター形成外科
3森本医院
1Division of Dermatology, National Hospital Organization Kure Medical Center/Chugoku Cancer Center, Kure, Japan
2Division of Plastic Surgery, National Hospital Organization Iwakuni Clinical Center, Iwakuni, Japan
3Morimoto Clinic, Kure, Japan
キーワード:
poly-gamma-glutamic acid
,
クラゲ刺傷
,
アナフィラキシーショック
,
納豆アレルギー
Keyword:
poly-gamma-glutamic acid
,
クラゲ刺傷
,
アナフィラキシーショック
,
納豆アレルギー
pp.863-867
発行日 2019年10月1日
Published Date 2019/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205858
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 62歳,男性.賞味期限切れの納豆を摂取し,蕁麻疹と血圧低下を生じた.大豆製品を日常的に摂取し問題ないこと,クラゲ刺傷の既往があったことから,クラゲ刺傷によって生じた納豆アレルギーを疑った.クラゲ刺傷によってポリガンマグルタミン酸(poly-gamma-glutamic acid:PGA)に感作されるが,納豆の粘稠物質にもPGAが含まれており,このPGAは納豆の発酵過程で経時的に増加すると考えられている.そこで賞味期限内および賞味期限切れの納豆,納豆の粘稠物質,大豆の水煮,ミズクラゲ,PGAを用いてプリックテストを施行した.賞味期限切れの納豆,納豆の粘稠物質,PGAで陽性であり,PGAによるアナフィラキシーショックと診断した.PGAは医薬品で使用されるほか,食品や化粧品等広い分野で使用されているため,原因不明のアナフィラキシーでまず疑うことが大切であり,クラゲ刺傷の既往や詳細な食事歴の聴取が重要である.
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.