Japanese
English
症例報告
Transient acantholytic dermatosis(Grover病)の1例
A case of transient acantholytic dermatosis(Grover's disease)
河合 匡子
1
,
市村 知佳
1
,
木村 理沙
1
,
松井 彩乃
1
,
工藤 由美子
2
,
石河 晃
1
Kyoko KAWAI
1
,
Chika ICHIMURA
1
,
Risa KIMURA
1
,
Ayano MATSUI
1
,
Yumiko KUDO
2
,
Akira ISHIKO
1
1東邦大学医学部皮膚科
2たんぽぽ皮膚科クリニック
1Department of Dermatology, School of Medicine, Toho University
2Tanpopo Medical Office of Dermatology, Tokyo, Japan
キーワード:
transient acantholytic dermatosis
,
Grover病
Keyword:
transient acantholytic dermatosis
,
Grover病
pp.869-873
発行日 2019年10月1日
Published Date 2019/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205859
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要約 85歳,女性.2か月前に庭で草花を触った後より両前腕,手背に瘙痒のある小水疱,紅斑が出現した.ジフルプレドナート外用し,2週間で軽快した.その後,頸部に環状の紅斑が出現し同剤外用で一度は軽快するも皮疹が再燃したため当院を紹介受診した.真菌鏡検,皮膚細菌培養検査は陰性,血清抗BP180-NC16a抗体,抗デスモグレイン1,3抗体は陰性であった.頸部の紅斑より皮膚生検を施行したところ病理組織標本で表皮の基底層直上に裂隙形成と棘融解を認めた.直接・間接蛍光抗体法はともに陰性であった.以上よりtransient acantholytic dermatosis(Grover病)と診断した.最初にGrover病が報告された際に誘発因子として日光曝露が挙げられていたが,自験例においては非露光部にも皮疹が出現していることや冬季に発症していることなど合致しない点も多く,複数の誘発因子が存在すると考えられる.
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