Japanese
English
症例報告
間質性肺炎を合併しTスポットの判定が保留であった尋常性乾癬に対し抗IL-17A製剤を導入した1例
A case of psoriasis vulgaris with interstitial pneumonia and intermediate T-spot, treated with anti-IL-17A antibody
坂本 拓海
1
,
中村 吏江
1
,
北原 良洋
2
,
天野 愛純香
3
,
木下 ひとみ
4
Takumi SAKAMOTO
1
,
Rie NAKAMURA
1
,
Yoshihiro KITAHARA
2
,
Asuka AMANO
3
,
Hitomi KINOSHITA
4
1呉医療センター・中国がんセンター皮膚科
2広島市立舟入市民病院呼吸器内科
3JA廣島総合病院皮膚科
4広島市
1Division of Dermatology, National Hospital Organization Kure Medical Center / Chugoku Cancer Center, Kure, Japan
2Division of Respiratory Medicine, Hiroshima City Funairi Citizens Hospital, Hiroshima, Japan
3Division of Dermatology, JA Hiroshima General Hospital, Hatsukaichi, Japan
4Hiroshima, Japan
キーワード:
尋常性乾癬
,
間質性肺炎
,
Tスポット陽性
,
抗IL-17A抗体製剤
Keyword:
尋常性乾癬
,
間質性肺炎
,
Tスポット陽性
,
抗IL-17A抗体製剤
pp.971-975
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206512
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要約 74歳,男性.乾癬に対するシクロスポリン内服にて腎機能障害が生じ,腎臓内科および当科に紹介となった.活性型ビタミンD3/ステロイド配合剤外用としたが,脳梗塞で他院入院後,皮疹の増悪と意識障害が生じ再紹介となった.高Ca血症による意識障害であり,外用剤を変更したが皮疹の増悪を認め,患者のQOLに大きな支障を及ぼしていた.導入前検査でKL-6は高値でTスポットは判定保留の結果であったが,抗IL-17A抗体製剤による治療を開始した.治療開始後病勢コントロールは良好であったが6週目でTスポットが陽性となったため全身CTで結核病変は認めなかったが抗IL-17A抗体製剤を中止した.中止後皮疹の再燃あり,イソニアジドの内服後に抗IL-17A抗体製剤を再開した.再開後9か月で結核を疑う所見なく,皮疹の経過も良好であり,またKL-6も低下している.合併症を有する症例においても生物学的製剤は導入前および治療中の慎重な診察が前提ではあるが前向きに検討する余地はある.
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