Japanese
English
症例報告
ドクササコ摂取による肢端紅痛症の1例
A case of erythromelalgia caused by the ingestion of Paralepistopsis acromelalga
渡部 絢子
1
,
牛上 麻希
1
,
藤井 俊樹
1
,
望月 隆
1
,
橋本 貴美子
2
Junko WATANABE
1
,
Maki USHIGAMI
1
,
Toshiki FUJII
1
,
Takashi MOCHIZUKI
1
,
Kimiko HASHIMOTO
2
1金沢医科大学皮膚科学講座
2東京農業大学生命科学部分子生命化学科
1Department of Dermatology, Kanazawa Medical University, Ishikawa, Japan
2Department of Chemistry for Life Sciences and Agriculture, Faculty of Life Sciences, Tokyo University of Agriculture, Tokyo, Japan
キーワード:
肢端紅痛症
,
ドクササコ
,
アクロメリン酸
,
クリチジン
,
ニコチン酸
Keyword:
肢端紅痛症
,
ドクササコ
,
アクロメリン酸
,
クリチジン
,
ニコチン酸
pp.857-862
発行日 2019年10月1日
Published Date 2019/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205857
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 78歳,男性.11月初旬より手足に疼痛が出現.徐々に増悪したため当科を受診した.初診時,四肢末端に紅斑腫脹と激しい接触痛を訴え,摂食や自力歩行が困難であった.再度の問診で症状出現数日前にドクササコを摂取したことが判明.臨床経過と合わせ,ドクササコ摂取による肢端紅痛症と診断し,ニコチン酸アミド900mg/日の内服を開始した.症状は約1か月で軽快した.入院中に施行したサーモグラフィーでは,患者の手足の表面温度は健常人と比較し約2℃高かった.また高温を示す部位は接触痛やしびれ感を認める部位と一致していた.ドクササコ中毒は潜伏期が長く,消化器症状が強くないことから,初診時にはキノコ中毒の可能性を疑いにくい.疾患に対する理解と詳細な病歴聴取が重要である.また毒キノコによる食中毒は保健所への届け出が義務づけられている.
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.