Japanese
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症例報告
愛知県の平野部で発生した凍傷の2例
Two cases of frostbite caused in plans of Aichi prefecture
渡邉 直樹
1,2
,
笹田 佳江
1
,
早川 彰紀
1
Naoki WATANABE
1,2
,
Yoshie SASADA
1
,
Akinori HAYAKAWA
1
1公立陶生病院皮膚科
2名古屋大学医学部附属病院皮膚科
1Division of Dermatology, Tosei General Hospital, Seto, Japan
2Department of Dermatology, Nagoya University Hospital, Nagoya, Japan
キーワード:
凍傷
,
ホームレス
,
車中泊
Keyword:
凍傷
,
ホームレス
,
車中泊
pp.850-856
発行日 2019年10月1日
Published Date 2019/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205856
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要約 症例1:75歳,男性.30年来のホームレス.2月上旬から両足趾に黒色変化をきたし受診した.Ⅳ度凍傷としてプロスタグランジンE1製剤の静注を行った.両足趾が広範囲に黒色壊死となり下肢切断を考慮したが外科的治療に同意が得られず,保存的に経過をみることとなり,第18病日に転院した.症例2:50歳,男性.職場の社員寮で生活していたが退職を契機に2月上旬から車中泊の生活となった.車中泊5日目に両足の腫脹と感覚麻痺をきたし受診した.凍傷として補液療法,プロスタグランジンE1製剤の静注を行った.左第1趾と右第1,2趾は乾燥壊死となった.保存的に経過を見ることとなり,第33病日に転院した.最低気温はともに−3℃であった.平野部での凍傷は稀であるが発生することがあり適切な診断と治療が必要となる.災害時にやむを得ず車中泊を強いられる場合にも発症する可能性があるため,冬季は十分な防寒対策が重要であると考えた.
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