Japanese
English
症例報告
続発性皮膚紅痛症の2例
Two Cases of Secondary Erythromelalgia
上村 知子
1,3
,
南光 弘子
1
,
堀江 良一
2
,
山根 至二
2
Tomoko UEMURA
1,3
,
Hiroko NANKO
1
,
Ryoichi HORIE
2
,
Teiji YAMANE
2
1東京厚生年金病院皮膚科
2東京厚生年金病院内科
3東京女子医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Tokyo Koseinenkin Hospital
2Department of Internal Medicine, Tokyo Koseinenkin Hospital
キーワード:
皮膚紅痛症
,
肢端紅痛症
,
特発性血小板血症
Keyword:
皮膚紅痛症
,
肢端紅痛症
,
特発性血小板血症
pp.1011-1015
発行日 1990年9月1日
Published Date 1990/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900194
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続発性皮膚紅痛症と思われる2例を報告した.第1例は47歳男性で特発性血小板血症を伴い,第2例は67歳男性疑診例で高血圧・肝癌・爪白癬を伴っていた.2例とも疼痛発作時の皮膚の潮紅,皮膚温の上昇があり,アスピリン内服が有効であった.皮膚紅痛症は特発性,家族性のもの,基礎疾患を伴う続発性のもの,やぶしめじの摂食による中毒性のものの4つに分けられる.病因について定説はないが自律神経障害,血小板機能異常,プロスタグランジンの関与,動静脈吻合の開口等諸説が言われている.本邦では最近10年間に44例が報告されており,基礎疾患の有無や種類により重症度や予後に差がみられた.病因や臨床が多様であることより,皮膚紅痛症は一つの疾患というより症候群として捉えるのが適当と思われた.
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