Japanese
English
症例報告
反復するヘルペスウイルス感染症を契機に診断された選択的IgM欠損症の1例
A case of selective IgM deficiency diagnosed in association with recurrence of herpes virus infection
川名 博徳
1
,
葉山 惟大
1
,
照井 正
1
Hironori KAWANA
1
,
Koremasa HAYAMA
1
,
Tadashi TERUI
1
1日本大学医学部皮膚科学系皮膚科学分野
1Department of Cutaneous Science, Department of Dermatology, Nihon University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
選択的IgM欠損症
,
単純ヘルペス
,
帯状疱疹
,
chromosome 22q11.2欠失症候群
Keyword:
選択的IgM欠損症
,
単純ヘルペス
,
帯状疱疹
,
chromosome 22q11.2欠失症候群
pp.791-795
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205840
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要約 63歳,男性.初診約1週間前から口唇,口腔内,陰部の疼痛を伴う皮疹が出現し,受診した.ヘルペス性歯肉口内炎および陰部ヘルペスを疑い,アシクロビル投与にて皮疹は改善した.7か月後に同部位に皮疹が再燃した.アシクロビル投与にて皮疹は改善したが,血清immunoglobulin M(IgM)が継続的に低値であった.B細胞表面IgMも低値であり,選択的IgM欠損症と診断した.遺伝子検査を行ったが,chromosome 22q11.2の欠失はみられなかった.選択的IgM欠損症の病態は不明な点が多く,有病率も明らかなデータがない.しかし,小児において反復する感染症や,成人ではアレルギー疾患,自己免疫疾患を契機に診断されることもあり,鑑別疾患として念頭に置くことが重要である.
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