マイオピニオン
皮膚科在宅医療—必要なのはわかっているけれど!
種田 明生
1
Akio TANEDA
1
1種田医院皮膚科
pp.754-755
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205833
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この題名がすべてを語っていると思いますが,今さら解説をしなくとも,高齢者が増えそれに伴い寝たきり,それに準じた方が増え,医院・病院まで来院できない方が年々増加しています.このような方々の皮膚疾患はどの科の医師が診ればよいのか,もちろん皮膚科です.厚生労働省も在宅医療(以降,在宅)を重視していますが,皮膚科医で在宅を行っている先生は非常に少ないのが現状です.私の診療所は開設時より在宅を行っていますが,通常の外来の間(昼休み)と外来終了後の午後7時半ごろ〜午後9時半ごろまで個人宅,施設を訪問,合わせると年間平均延べ人数は1,300〜1,400程度になります.こういった経験から皮膚科在宅に関して述べたいと思います.
現在,皮膚科の在宅を行っている先生は少ないと思いますが,これまで外来に来ていた方が高齢になり寝たきりになった,あるいは新患で褥瘡,水疱症,帯状疱疹,熱傷,紅皮症その他皮膚科が診なければならない疾患で在宅の依頼をされたときどうされているでしょうか.何年も通っていた方,その家族が皮膚科在宅を必要としているときに「私の診療所は在宅していないので」と断ってしまうのでしょうか.家族が寝たきりの方を外来に連れて行くのはとても大変です.会社を休まないと連れていけない,2階にいる方は階段を降ろせない,車いすも無理なので患者搬送用に車を頼まなければならない,等々外来受診には多くのハードルがあるのです.それでは患者さんそして家族の方はどうしたらいいのでしょう.自分の親だったら? 患者さんの家族の身になって考えたらどう思いますか?.客観的には皮膚科医としてどうにかしてあげたいと思うのではないでしょうか.
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