雑誌文献を検索します。書籍を検索する際には「書籍検索」を選択してください。

Rinsho Hifuka Volume 73, Issue 9 （August 2019）

臨床皮膚科 73巻9号（2019年8月発行）

Japanese English

症例報告

ダウン症候群患者に合併した多発性皮膚線維腫の1例 A case of Down syndrome complicated by multiple dermatofibroma 坂本幸子 ¹ , 川本友子 ² , 執行彩希 ³ , 池上隆太 ⁴ , 中井千晶 ⁵ , 吉田康之 ⁵ Sachiko SAKAMOTO ¹ , Tomoko KAWAMOTO ² , Ayaki SHIGYO ³ , Ryuta IKEGAMI ⁴ , Chiaki NAKAI ⁵ , Yasuyuki YOSHIDA ⁵ ¹住友病院皮膚科 ²大手前病院皮膚科 ³大阪はびきの医療センター ⁴池上皮膚科 ⁵独立行政法人地域医療機能推進機構大阪病院病理科 ¹Division of Dermatology, Sumitomo Hospital, Osaka, Japan ²Division of Dermatology, Otemae Hospital, Osaka, Japan ³Division of Dermatology, Osaka Habikino Medical Center, Habikino, Japan ⁴Ikegami Dermatology Clinic, Ikeda, Japan ⁵Division of Pathology, Japan Community Health Care Organization Osaka Hospital, Osaka, Japan キーワード：多発性皮膚線維腫 , ダウン症候群 , 肥満細胞 Keyword: 多発性皮膚線維腫 , ダウン症候群 , 肥満細胞 pp.705-710

発行日 2019年8月1日 Published Date 2019/8/1

DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205821

PDF(2483KB)

有料閲覧

Abstract 文献概要
1ページ目 Look Inside
参考文献 Reference

要約　31歳，女性．ダウン症候群，てんかんの既往あり．約1年前に体幹や四肢の褐色色素斑を自覚し，徐々に増大・増数したとのことで2016年7月に当科を受診した．体幹や四肢に軽度隆起した弾性硬の褐色の皮膚結節を計21か所に認めた．病理組織学的に表皮は肥厚し，真皮上層に紡錘形細胞が花むしろ様に増殖する皮膚線維腫の像を認めた．またトルイジンブルー染色では肥満細胞が増加していた．多発性皮膚線維腫は自己免疫疾患や免疫抑制状態と関連するとされるが，自験例ではダウン症候群以外の合併症は認めず，ダウン症候群に伴う自然免疫の低下などの免疫学的異常が発症に関与した可能性が推察された．