Japanese
English
症例報告
乳癌の再発・転移治療中に発症した好酸球性蜂窩織炎の1例
Eosinophilic cellulitis in a patient with recurrent and metastatic breast cancer
三井 英俊
1
,
江川 貞恵
1
,
相場 節也
2
Hidetoshi MITSUI
1
,
Teie EGAWA
1
,
Setsuya AIBA
2
1石巻赤十字病院皮膚科
2東北大学大学院医学系研究科神経感覚器病態皮膚科学分野
1Division of Dermatology, Ishinomaki Red Cross Hospital, Ishinomaki, Japan
2Department of Dermatology, Tohoku Universty Graduate School of Medicine, Sendai, Japan
キーワード:
好酸球性蜂窩織炎
,
eosinophilic cellulitis
,
Wells syndrome
,
乳癌
,
flame figure
Keyword:
好酸球性蜂窩織炎
,
eosinophilic cellulitis
,
Wells syndrome
,
乳癌
,
flame figure
pp.693-699
発行日 2019年8月1日
Published Date 2019/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205819
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要約 60歳,女性.37歳時,乳癌に対し手術,化学・放射線療法を受けた.48歳以降,再発,転移を繰り返し,追加治療が施された.初診2か月前頃から両下腿にかゆみのある皮疹が出現し,むくみと圧痛も伴うようになったため,近医を受診した.抗菌薬を処方されたが,改善なく当科を紹介された.細菌性蜂窩織炎などを疑い加療したが,難治のため皮膚生検施行した.病理組織学的に真皮から皮下組織の好酸球を含む炎症細胞浸潤と特徴的なflame figureを認めた.好酸球性蜂窩織炎と診断し,ステロイド投与開始した.同時期に乳癌胸椎多発骨転移切除術を受けた.その後,ステロイドを再投与せずに軽快し再燃していない.好酸球性蜂窩織炎は,虫刺症,薬剤,悪性腫瘍などに関連するといわれているが,乳癌合併は稀である.臨床所見のみでは他疾患との鑑別が難しいことがあり積極的に皮膚生検を行うべきである.また悪性疾患との関連性を念頭に置き,必要に応じ精査すべきである.
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