Japanese
English
症例報告
BCG接種後に生じた丘疹状結核疹の1例
A case of papular tuberculid after Bacille Calmette-Guerin vaccination
向川 早紀
1
,
石浦 信子
1
,
藤井 ひかり
1
,
佐藤 典子
2
,
玉木 毅
1
Saki MUKOGAWA
1
,
Nobuko ISHIURA
1
,
Hikari FUJII
1
,
Noriko SATO
2
,
Takeshi TAMAKI
1
1国立国際医療研究センター病院皮膚科
2国立国際医療研究センター病院小児科
1Division of Dermatology, Center Hospital of the National Center for Global Health and Medicine, Tokyo, Japan
2Division of Pediatrics, Center Hospital of the National Center for Global Health and Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
結核疹
,
BCG接種後副反応
Keyword:
結核疹
,
BCG接種後副反応
pp.536-540
発行日 2019年6月1日
Published Date 2019/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205783
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要約 6か月,女児.生後4か月にBCG(Bacille Calmette-Guerin)を接種した.接種1か月半後に顔面,両下肢に一部小水疱や膿疱を伴う丘疹が多発し,当院を受診した.全身状態は良好で,表在リンパ節の腫大はなく,血液生化学検査および胸部単純X線で異常所見はなかった.QFTも陰性であった.紅色丘疹の病理組織では,真皮浅層から中層に肉芽腫性変化とCD68陽性の組織球の集簇を認めた.Ziehl-Neelsen染色で抗酸菌は認めなかった.丘疹状結核疹と診断し,経過観察にて皮疹は自然消退した.本邦では近年,乳児期でのBCG接種が感染症法で定められ,予防接種後副反応の報告が増加しつつある.経過観察のみで皮疹が自然消退した症例も報告されているが,病型によっては病変の外科的切除や抗結核薬内服などの治療が必要となる症例もある.BCG接種後の小児を診察する際には副反応の存在を念頭に置き,治療法を選択することが必要である.
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