Japanese
English
症例報告
小児の会陰部に発症したangiomyxomaの1例
A pediatric case of angiomyxoma on the perineum
川名 博徳
1
,
石井 まどか
1
,
車谷 紋乃
1
,
藤田 英樹
1
,
樋泉 和子
2
,
照井 正
1
Hironori KAWANA
1
,
Madoka ISHII
1
,
Ayano KURUMATANI
1
,
Hideki FUJITA
1
,
Kazuko HIIZUMI
2
,
Tadashi TERUI
1
1日本大学医学部皮膚科学系皮膚科学分野
2東京北医療センター皮膚科
1Department of Cutaneous Science, Department of Dermatology, Nihon University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Division of Dermatology, Tokyo-Kita Medical Center, Tokyo, Japan
キーワード:
小児
,
会陰部
,
angiomyxoma
,
aggressive angiomyxoma
,
superficial angiomyxoma
Keyword:
小児
,
会陰部
,
angiomyxoma
,
aggressive angiomyxoma
,
superficial angiomyxoma
pp.523-529
発行日 2019年6月1日
Published Date 2019/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205781
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 12歳,女児.初診の7か月前に会陰部右側に結節性病変が生じ,次第に増大するため当科を受診した.初診時,30×35mm大の表面にびらんを伴う紅色調の有茎性懸垂状腫瘤がみられた.MRIでは腫瘤はT1強調画像で低信号,T2強調画像で高信号を呈し,造影T1強調画像では腫瘤内部は造影効果を示した.腫瘤の骨盤腔への進展はなかった.生検病理組織像で核異型の少ない紡錘形・星芒状・球状の細胞がmyxoidな間質を背景にみられた.腫瘍細胞は免疫染色でビメンチン,α-SMA,CD34陽性であった.Angiomyxomaと診断し,腫瘍茎部辺縁で全切除した.さらに切除時に存在していた腫瘍近傍の小丘疹が術後増大したため,切除したところ,同様な病理組織像であった.Angiomyxomaはaggressive angiomyxomaとsuperficial angiomyxomaに分類されてきたが,自験例は病理組織学的に両者の特徴を有しており,明確な分類が困難であった.両者ともに境界不明瞭なことがあり,取り残しによる再発の可能性がある.十分な切除マージン設定と慎重な経過観察が望まれる.
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.