Japanese
English
症例報告
左踵に生じたeccrine syringofibrocarcinomaの1例
A case of eccrine syringofibrocarcinoma on the left heel
三井 英俊
1
,
江川 貞恵
1
,
橋本 彰
2
,
相場 節也
2
Hidetoshi MITSUI
1
,
Teie EGAWA
1
,
Akira HASHIMOTO
2
,
Setsuya AIBA
2
1石巻赤十字病院皮膚科
2東北大学大学院医学系研究科神経感覚器病態皮膚科学分野
1Division of Dermatology, Ishinomaki Red Cross Hospital, Ishinomaki, Japan
2Department of Dermatology, Tohoku Universty Graduate School of Medicine, Sendai, Japan
キーワード:
eccrine syringofibrocarcinoma
,
eccrine syringofibroadenoma
,
エクリン汗腺線維腫
,
踵
Keyword:
eccrine syringofibrocarcinoma
,
eccrine syringofibroadenoma
,
エクリン汗腺線維腫
,
踵
pp.516-522
発行日 2019年6月1日
Published Date 2019/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205780
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要約 87歳,独居の女性.60歳頃から左踵に難治性の靴ずれ様の皮疹があったが,痛みがなく放置していた.介護認定の身体検査で同部の腫瘤を指摘されたため近医を受診した.皮膚生検の結果,病理組織学的にeccrine syringofibroadenoma(ESFA),あるいは悪性型のeccrine syringofibrocarcinoma(ESFC)の可能性を疑われ当科を紹介された.全身麻酔下に5mm以上の側方マージンをもって,また皮下脂肪を含め,腱膜,骨膜上で腫瘤を切除し病組織学的に検討した.腫瘤はESFAに特徴的な表皮から真皮に延伸する細い表皮索が網状構造をなしていたが,一部では網状構造が半ば崩れ,高度な核の異型性,真皮への浸潤を伴う悪性所見を呈し,管腔構造を認めたためESFCと診断した.ESFCは,それ自体が稀なうえ,有棘細胞癌およびエクリン汗孔癌等との鑑別が困難であるが,ESFAの特徴を背景に持ち,他の腫瘍との鑑別ができる場合,ESFCと診断してよいと考える.
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