Japanese
English
症例報告
両側性に多発した線状扁平苔癬の1例
A case of bilateral multiple linear lichen planus
渡部 真奈
1
,
藤田 英樹
1
,
照井 正
1
Mana WATANABE
1
,
Hideki FUJITA
1
,
Tadashi TERUI
1
1日本大学医学部皮膚科学系皮膚科学分野
1Division of Cutaneous Science, Department of Dermatology, Nihon University, School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
線状扁平苔癬
,
多発
,
両側性
,
Blaschko線
Keyword:
線状扁平苔癬
,
多発
,
両側性
,
Blaschko線
pp.511-515
発行日 2019年6月1日
Published Date 2019/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205779
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要約 31歳,男性.既往歴に特記事項なし.数か月前より出現した痒みを伴う線状の皮疹を主訴に当科を受診した.初診時,右大腿および下腿の内側から土踏まずにかけて,帯状の暗紫色角化性局面がみられ,右腹部では暗紅色丘疹のS字型配列をみた.両上肢でも暗紅色丘疹が線状に配列していた.下肢と腹部の皮疹から皮膚生検を施行し,病理組織所見は,角質の過角化,表皮顆粒層の肥厚,基底膜の液状変性,真皮浅層の帯状のリンパ球浸潤がみられ,ともに扁平苔癬の典型像であった.Blaschko線に沿った配列と合わせて,線状扁平苔癬と診断した.副腎皮質ステロイド外用にて加療を行い,3か月後には皮疹は色素沈着を残して略治した.線状扁平苔癬の本邦報告例を検討したところ,女性に多く,部位は下肢が最多であった.これらと発生機序との関連は不明な点が多い.
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