Japanese
English
症例報告
妊娠中に急激に増大した隆起性皮膚線維肉腫の1例
A case of dermatofibrosarcoma protuberans rapidly grown during pregnancy
豊島 進
1
,
栗原 佑一
1
,
持丸 奈央子
1
,
平井 郁子
1
,
中村 善雄
1
,
久保 亮治
1
,
天谷 雅行
1
,
舩越 建
1
Susumu TOSHIMA
1
,
Yuichi KURIHARA
1
,
Naoko MOCHIMARU
1
,
Ikuko HIRAI
1
,
Yoshio NAKAMURA
1
,
Akiharu KUBO
1
,
Masayuki AMAGAI
1
,
Takeru FUNAKOSHI
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
隆起性皮膚線維肉腫
,
妊婦
,
全身麻酔
,
血小板由来成長因子
Keyword:
隆起性皮膚線維肉腫
,
妊婦
,
全身麻酔
,
血小板由来成長因子
pp.451-456
発行日 2019年5月1日
Published Date 2019/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205764
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要約 41歳,女性.初診1年前から左季肋部に結節を自覚した.妊娠15週頃から急速に増大し,妊娠17週時に当科を受診した.初診時,表面に紫斑を伴う4cm大の弾性軟の腫瘤を認めた.超音波検査で血管に富む境界明瞭な腫瘤であり,血管腫を疑い局所麻酔下で全摘術を行った.病理組織学的に,真皮から皮下に境界明瞭で血管に富む腫瘍を認めた.構成する細胞は紡錘形の細胞で,花むしろ状配列をなしてびまん性に増殖していた.核の大小不同や分裂像は目立たなかった.免疫組織化学染色ではCD34陽性,FISH法で第17染色体COL1A1遺伝子座と第22染色体PDGFB遺伝子座の転座が示唆された.隆起性皮膚線維肉腫と診断し,妊娠24週時に全身麻酔で筋膜を含め追加切除した.この腫瘍は以前にも妊娠中に急激に増大する腫瘍として報告されている.経過観察中に増大すると手術の侵襲が大きくなることや,転移の可能性もあるため,妊婦に生じた腫瘤における重要な鑑別疾患と考えられた.
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