特集 真菌症
全身性エリテマトーデス患者の足趾に生じたTrichophyton rubrum による白癬菌性膿瘍の1例
東山 礼一
1
,
岩澤 真理
1
,
平栗 雅樹
3
,
矢口 貴志
4
1成田赤十字病院,皮膚科(主任:東山礼一副部長)
3成田赤十字病院,リウマチ・アレルギー内科
4千葉大学真菌医学研究センター
キーワード:
白癬菌性膿瘍
,
Trichophyton rubrum
,
易感染性宿主
,
全身性エリ
,
テマトーデス
Keyword:
白癬菌性膿瘍
,
Trichophyton rubrum
,
易感染性宿主
,
全身性エリ
,
テマトーデス
pp.1093-1096
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000071
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42 歳,女性。2009 年より全身性エリテマトーデスのためベタメタゾン,シクロスポリンを内服していた。2012 年足爪白癬でイトラコナゾール50 mg/日を内服したが,肝障害のため4 カ月で中断し完治していなかった。2014 年8 月右第Ⅲ,Ⅳ趾基部に皮下膿瘍が出現した。穿刺液は黄褐色膿汁で,直接鏡検にて糸状菌を認めた。病理組織学的所見では膿瘍壁は多核巨細胞を混じる化膿性肉芽腫で,PAS 染色にて糸状の菌要素を認めた。真菌培養でTrichophytonrubrum を分離したことから白癬菌性膿瘍と診断した。テルビナフィン塩酸塩125 mg/日内服が著効し,2 カ月で膿瘍は消失した。
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