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増刊号特集 最近のトピックス2019 Clinical Dermatology 2019
4.皮膚疾患治療のポイント
ホスラブコナゾールによる爪白癬治療
Treatment of onychomycosis by fosravuconazole
五十嵐 敦之
1
Atsuyuki IGARASHI
1
1NTT東日本関東病院皮膚科
1Department of Dermatology, NTT Medical Center Tokyo, Tokyo, Japan
キーワード:
爪白癬
,
ホスラブコナゾール
,
内服抗真菌薬
Keyword:
爪白癬
,
ホスラブコナゾール
,
内服抗真菌薬
pp.118-122
発行日 2019年4月10日
Published Date 2019/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205722
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summary
ホスラブコナゾールは新規トリアゾール系の広く強力な抗真菌活性を発揮するラブコナゾールのプロドラッグで,約20年ぶりに登場した内服薬である.1日1回12週間内服にて治療が完結する.吸収率が高くまた食事の影響を受けないことも特徴である.ホスラブコナゾールの有効性と安全性は,爪白癬日本人患者を対象とした多施設プラセボ対照二重盲検無作為化試験(実薬101名,プラセボ52名)にて検証された.48週後の完全治癒(臨床的治癒+真菌学的治癒)率は実薬群59.4%(60/101)であり,プラセボ群5.8%(3/52)に比べて有意に高かった.安全性については,肝機能検査値異常が認められたことから,定期的な検査による肝機能障害の早期検出が求められる.近年では爪用外用抗真菌薬が相次いで登場し多く使われる傾向にあるが,治癒率は決して高いものではなく,より高い治療効果の薬剤が望まれていた.その点で本薬剤は爪白癬治療の新たな選択肢となることが期待される.
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