特集 脳神経・頭頸部の画像診断update
症例
エオジン好性核内封入体病の1例
三好 史倫
1
,
福永 健
,
篠原 祐樹
,
藤井 進也
,
田邉 芳雄
,
小川 敏英
,
足立 正
,
中島 健二
1鳥取大学医学部附属病院 放射線科
キーワード:
MRI
,
ヒアリン
,
前頭葉
,
封入体
,
白質脳症
,
神経核内封入体病
Keyword:
Inclusion Bodies
,
Frontal Lobe
,
Hyalin
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Leukoencephalopathies
,
Neuronal Intranuclear Inclusion Disease
pp.1699-1702
発行日 2016年11月10日
Published Date 2016/11/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2017096485
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症例は59歳女性で、熱感を訴え、その後、つじつまの合わない発語や下着を着けないまま歩き、失禁するといった行動異常が出現した。翌朝には支えなければ歩けない状態となった。頭部単純MRIでは、拡散強調像で右前頭葉皮質下白質に軽度高信号域を認めた。同部はT2強調像やFLAIR像で高信号を呈した。また、左前頭葉皮質下白質にもT2強調像やFLAIR像で高信号域を認めた。確定診断には至らず、最終的にインフルエンザ脳症として加療した。その後、定期的に頭部MRIで経過観察していたが退院10ヵ月後に再び、発熱、意識障害、歩行障害で受診した。拡散強調像とFLAIR像の対比では、両側前頭葉、頭頂葉皮質下白質に対称性に高信号域を認めた。経時的に明瞭化しているがFLAIR像の方が広範囲であった。なお、FLAIR像での異常信号域は、拡散強調像と同時期か、より早期に明瞭化した。頭部MRIでエオジン好性核内封入体病を疑い、皮膚生検によりエオジン好性核内封入体病と診断した。
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