Japanese
English
症例報告
頭部MRIで白質脳症を示し皮膚生検により神経核内封入体病の診断に至った2例
Two cases of neuronal intranuclear inclusion disease diagnosed with skin biopsy
高宮城 冴子
1
,
宮川 明大
1
,
竹内 紗規子
1
,
崎山 とも
1
,
稲積 豊子
1
,
久住呂 友紀
2
,
服部 英典
2
Saeko TAKAMIYAGI
1
,
Akihiro MIYAGAWA
1
,
Sakiko TAKEUCHI
1
,
Tomo SAKIYAMA
1
,
Toyoko INAZUMI
1
,
Yuki KUJYURO
2
,
Hidenori HATTORI
2
1国家公務員共済組合連合会立川病院皮膚科
2国家公務員共済組合連合会立川病院神経内科
1Division of Dermatology, Tachikawa Hospital, Tachikawa, Japan
2Division of Neurology, Tachikawa Hospital, Tachikawa, Japan
キーワード:
神経核内封入体病
,
エオジン好性核内封入体病
,
皮膚生検
Keyword:
神経核内封入体病
,
エオジン好性核内封入体病
,
皮膚生検
pp.459-465
発行日 2020年5月1日
Published Date 2020/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206081
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要約 症例1:78歳,女性.物忘れと見当識障害があり,頭部MRI T2強調像でテント上に白質病変を呈した.下腿と下腹部より皮膚生検を施行した.症例2:75歳,女性.認知症症状が進行し,頭部MRI FLAIR像で側脳室周囲に広汎に高信号域を認め,上腕より皮膚生検を施行した.両症例ともに,皮膚病理組織で線維芽細胞や汗腺細胞にp62またはユビキチン陽性の核内封入体を認め,神経核内封入体病(neuronal intranuclear inclusion disease:NIID)と診断した.NIIDは近年皮膚生検による診断方法が認知されるようになった神経変性疾患であり,皮膚科でも周知されるべきである.既報告例では下腿外果周囲の皮膚生検が推奨されているが,自験例の結果から,脂肪細胞や汗腺細胞が含まれていれば下腿外果周囲に限らず皮膚生検で結果が得られる可能性が高いと考えられた.
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