Japanese
English
皮膚科図譜・191
Pasini et Pierini進行性特発性皮膚萎縮症
PROGRESSIVE IDIOPATHIC ATROPHODERMA OF PASINI AND PIERINI
杉村 克治
1
Katsuharu SUGIMURA
1
1厚生連中央病院皮泌科
1Department of Dermato-Urology, Central Hospital of the Federation of Agricultural Cooperative Unions
pp.120
発行日 1965年2月1日
Published Date 1965/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491204000
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- Abstract 文献概要
症 例 21歳女。 主訴列序性配列をなす褐色陥凹斑。 現病歴 15歳頃より何ら誘因なく右肩甲部及び右上腕に爪甲大前後の褐色陥凹斑を生じ,2〜3年前より更に拡大して来た。自覚症状を欠如する。当該部こ発疹の既往なく外傷,神経疾患もない。 現 症 右肩甲部,右肩,右上腕,右前胸部,右腰部,右下腹部に爪甲大の楕円形乃至不整形の褐色陥凹斑から成る皮疹があり,一部相癒合しており,全般に帯状乃至列序性配列をなし正中線をこえない(第1,2図)。個疹は表面平滑で何ら浸潤,肥厚,炎症症状等を認めず,周辺皮膚より急峻に陥浸し,その程度は背部,腰部において脚箸であり,前胸部のものはごく軽度である。問辺皮膚は全く正常で肥厚,硬化,lilac ring等を認めない。アセチールコリンの皮内注射で皮疹部で紅斑が強く出現した以外諸検査成績に異常なし。
組織像 背部よりとつた切片で表皮は基底層にメラニン顆粒の増加を認める他異常なし。真皮は正常部位に比しやや菲薄化し,真皮深層がやや浮腫状で,汗腺の軽い萎縮を認めるが,毛嚢はよく保存されている(第3図)。血管周囲性及び毛嚢周囲性に軽度の円形細胞浸潤を認める。尚弾力線維はよく保存され,真皮深層に経度のclumpingを認める(第4図)。
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