Japanese
English
症例報告
診断に苦慮した顔面のパラフィノーマの1例
A case of facial paraffinoma difficult to diagnose
松本 藍
1
,
前川 武雄
1
,
小宮根 真弓
1
,
村田 哲
1
,
大槻 マミ太郎
1
Ai MATSUMOTO
1
,
Takeo MAEKAWA
1
,
Mayumi KOMINE
1
,
Satoru MURATA
1
,
Mamitaro OHTSUKI
1
1自治医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Jichi Medical University, Shimotsuke, Japan
キーワード:
パラフィノーマ
,
異物肉芽腫
,
美容整形
,
リンパ腫
Keyword:
パラフィノーマ
,
異物肉芽腫
,
美容整形
,
リンパ腫
pp.41-45
発行日 2019年1月1日
Published Date 2019/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205615
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要約 54歳,女性.両眼瞼と頰,鼻の腫脹と開眼困難が出現し受診した.皮膚生検では非特異的脂肪織炎の所見で悪性所見はなかった.ステロイド内服は有効であったが減量で再燃し,CHOP療法を施行したところ,プレドニンを減量,終了できた.25年前の重瞼術・隆鼻術施行歴が判明し,鼻背インプラントを抜去した.5年間再発なかったがその後眼瞼,頰の紅斑,腫脹が再発した.頰から再度皮膚生検を施行し,空胞状構造を多数形成する異物肉芽腫がみられ,パラフィノーマと診断した.病理組織像からは油脂類注入が推測されたが,患者は否定した.その後も眼瞼・頰部に発赤,腫脹を繰り返しており,局所症状のコントロールに難渋している.美容施術による皮膚障害は,本人の申告がないと,診断が困難なことがあり,まずは疑うことが重要である.
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