Japanese
English
特集 間葉系腫瘍
表皮の偽癌性増殖を伴った原発性皮膚未分化大細胞型リンパ腫の1例
Primary cutaneous anaplastic large cell lymphoma with pseudocarcinomatous epidermal hyperplasia
伊藤 裕代
1
,
吉田 亜希
1
,
田村 崇行
1
,
岸 晶子
1
,
山口 享祐
2
,
内田 直之
2
,
大原 國章
3
,
林 伸和
1
Hiroyo ITO
1
,
Aki YOSHIDA
1
,
Takayuki TAMURA
1
,
Akiko KISHI
1
,
Kyosuke YAMAGUCHI
2
,
Naoyuki UCHIDA
2
,
Kuniaki OHARA
3
,
Nobukazu HAYASHI
1
1虎の門病院,皮膚科(主任:林 伸和部長)
2同,血液内科
3赤坂虎の門クリニック,皮膚科
キーワード:
偽癌性増殖
,
CD30陽性T細胞増殖性疾患
,
原発性皮膚未分化大細胞型リンパ腫
,
T細胞リンパ腫
Keyword:
偽癌性増殖
,
CD30陽性T細胞増殖性疾患
,
原発性皮膚未分化大細胞型リンパ腫
,
T細胞リンパ腫
pp.350-353
発行日 2022年3月1日
Published Date 2022/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003146
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56歳,男性。5カ月前より右大腿後面に皮膚硬結が出現し拡大した。皮膚生検で悪性リンパ腫が疑われ当院を紹介受診した。組織は表皮と連続した軽度異型を伴う角化細胞の増生とCD30陽性異型リンパ球の増殖を認め,表皮の偽癌性増殖を伴う原発性皮膚未分化大細胞型リンパ腫と診断した。PET-CTで集積のみられた右鼠径リンパ節は,濾胞構造が不明瞭で濾胞間領域にCD30陽性の異型なリンパ球を認め,リンパ節浸潤と考えた。A-CHP療法で右大腿の腫瘤は縮小している。偽癌性増殖を伴う原発性皮膚未分化大細胞型リンパ腫は,伴わないものと比較して予後良好であるが,自験例は鼠経リンパ節に浸潤がみられたまれな症例であり,今後も注意深い経過観察が必要と考える。
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