Japanese
English
症例報告
器質化肺炎を合併したSweet症候群の1例
A case of Sweet's syndrome accompanied by organizing pneumonia
加藤 陽一
1
,
谷 冴香
1
,
辻岡 馨
1
,
野口 進
2
,
島津 弥生
3
Yoichi KATO
1
,
Sayaka TANI
1
,
Kaoru TSUJIOKA
1
,
Susumu NOGUCHI
2
,
Yayoi SHIMAZU
3
1日本赤十字社和歌山医療センター皮膚科
2日本赤十字社和歌山医療センター呼吸器内科
3日本赤十字社和歌山医療センター血液内科
1Division of Dermatology, Japanese Red Cross Wakayama Medical Center, Wakayama, Japan
2Division of Respiratory Medicine, Japanese Red Cross Wakayama Medical Center, Wakayama, Japan
3Division of Hematology, Japanese Red Cross Wakayama Medical Center, Wakayama, Japan
キーワード:
Sweet症候群
,
器質化肺炎
,
骨髄異形成症候群
,
急性骨髄性白血病
Keyword:
Sweet症候群
,
器質化肺炎
,
骨髄異形成症候群
,
急性骨髄性白血病
pp.965-970
発行日 2018年11月1日
Published Date 2018/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205567
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要約 72歳,男性.左頰部に有痛性の皮疹が出現し,同時期に汎血球減少も指摘された.3週間後に発熱と呼吸困難も出現した.画像検査で両肺野に浸潤影を認め,感染性肺炎の疑いで抗生物質等による治療を受けたが改善しなかった.当科初診時,左頰部に境界明瞭で周囲がやや堤防状に隆起した大小の浸潤性紅斑を近接して認めた.皮膚生検および呼吸器内科的精査により,皮膚病変と肺病変をそれぞれSweet症候群,器質化肺炎と診断した.汎血球減少に加えて好中球核の過分葉を認め,骨髄異形成症候群の存在も疑われた.プレドニゾロンの全身投与により皮疹と肺症状は著明に改善したが,その後,急性骨髄性白血病を発症し,化学療法を受けるも脳出血により永眠した.Sweet症候群は稀に肺症状を合併し,器質化肺炎の所見を示すことがある.肺病変を伴うSweet症候群は,血液疾患の合併率が高いことが着目され,より積極的な血液学的精査が必要と思われる.
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