Japanese
English
症例報告
トリソミー8を伴ったSweet症候群の1例
A case of Sweet's syndrome associated with trisomy 8
堀 仁子
1
,
菅野 恭子
1
,
本間 大
1
,
村上 正基
2
,
生田 克哉
3
,
飯塚 一
1
Masako MINAMI-HORI
1
,
Kyoko KANNO
1
,
Masaru HONMA
1
,
Masamoto MURAKAMI
2
,
Katsuya IKUTA
3
,
Hajime IIZUKA
1
1旭川医科大学医学部皮膚科学教室
2愛媛大学医学部皮膚科学教室
3旭川医科大学医学部内科学講座消化器・血液腫瘍制御内科学分野
1Department of Dermatology, Asahikawa Medical University, Asahikawa, Japan
2Department of Dermatology, Ehime University School of Medicine, Ehime, Japan
3Division of Gastroenterology and Hematology/Oncology, Department of Medicine, Asahikawa Medical University, Asahikawa, Japan
キーワード:
Sweet症候群
,
トリソミー8
,
骨髄異形成症候群
,
好中球
,
アポトーシス
Keyword:
Sweet症候群
,
トリソミー8
,
骨髄異形成症候群
,
好中球
,
アポトーシス
pp.118-121
発行日 2014年2月1日
Published Date 2014/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103886
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要約 80歳,男性.38℃台の発熱,多関節痛および圧痛を伴う体幹の浸潤性紅斑を主訴に当科を初診した.血液検査所見で好中球を主体とした白血球11,230/μlおよびCRP 17.29mg/dlと上昇があり,病理組織学的に真皮上層から深層にかけて血管周囲に好中球の浸潤をみたことからSweet症候群と診断した.明らかな悪性腫瘍や血液疾患の合併はみなかったものの,骨髄検査で20細胞中5個のトリソミー8を認めた.内服プレドニゾロン(PSL)を増量すると症状は改善するものの10mg/日以下にすると再燃を繰り返し治療に難渋した.自験例は骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome:MDS)の診断には至らなかったが,MDSの誘因となりうるトリソミー8を認めた.Sweet症候群では好中球の異常活性化が起こるとされているが,トリソミー8が好中球のアポトーシスを抑制することにより本症の病態に関与している可能性がある.
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