Japanese
English
症例報告
穿刺吸引細胞診による甲状腺乳頭癌の皮膚播種と考えられた1例
A case of needle tract implantation of papillary thyroid carcinoma secondary to fine needle aspiration
北口 紘子
1
,
白瀬 智之
2
,
奥野 知子
2
,
木原 実
3
,
吉川 義顕
1,4
Hiroko KITAGUCHI
1
,
Tomoyuki SHIRASE
2
,
Tomoko OKUNO
2
,
Minoru KIHARA
3
,
Yoshiaki YOSHIKAWA
1,4
1大津赤十字病院皮膚科
2大津赤十字病院病理部
3医療法人神甲会隈病院外科
4公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院皮膚科
1Division of Dermatology, Otsu Red Cross Hospital, Otsu, Japan
2Division of Pathology, Otsu Red Cross Hospital, Otsu, Japan
3Division of Surgery, Kuma Hospital, Kobe, Japan
4Division of Dermatology, Kitano Hospital, The Tazuke Kofukai, Medical Research Institute, Osaka, Japan
キーワード:
穿刺吸引細胞診
,
甲状腺乳頭癌
,
穿刺経路播種
,
皮膚播種
Keyword:
穿刺吸引細胞診
,
甲状腺乳頭癌
,
穿刺経路播種
,
皮膚播種
pp.805-809
発行日 2018年9月1日
Published Date 2018/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205530
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 21歳,女性.甲状腺腫瘍を指摘され,当科初診の4年前と3年前に穿刺吸引細胞診を2回受け,その結果甲状腺乳頭癌の診断で甲状腺全摘術が施行された.当科受診の4か月前に頸部腫瘤を自覚し,当科初診時には頸部に約4mm大の淡い紅色を呈した腫瘤を認めた.腫瘤を全摘し,病理組織学的所見および発生部位から穿刺吸引細胞診による甲状腺乳頭癌の皮膚播種と診断した.穿刺吸引細胞診は安全で非侵襲的な検査方法であり,甲状腺乳頭癌が穿刺経路播種を起こす頻度は比較的稀とされている.しかしながら,穿刺吸引細胞診の合併症として穿刺経路播種が起こりうることは皮膚科医も知っておくべきであり,皮疹部位に穿刺の既往がある場合には穿刺経路播種も鑑別に挙げ診察する必要があると考えた.
Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.