Japanese
English
症例報告
皮下硬結として出現した肺癌の筋転移の1例
A case of skeletal muscle metastasis in lung cancer which was found as a subcutaneous nodule
椎山 理恵
1
,
綿貫 沙織
1
,
宮尾 直樹
2
,
長村 義之
3
,
石橋 正史
1
Rie SHIIYAMA
1
,
Saori WATANUKI
1
,
Naoki MIYAO
2
,
Yoshiyuki OSAMURA
3
,
Masafumi ISHIBASHI
1
1日本鋼管病院皮膚科
2日本鋼管病院内科
3日本鋼管病院病理診断科
1Division of Dermatology, Nippon Kohkan Hospital, Kawasaki, Japan
2Division of Internal Medicine, Nippon Kohkan Hospital, Kawasaki, Japan
3Division of Pathology, Nippon Kohkan Hospital, Kawasaki, Japan
キーワード:
皮下硬結
,
転移性筋腫瘍
,
肺癌
Keyword:
皮下硬結
,
転移性筋腫瘍
,
肺癌
pp.810-814
発行日 2018年9月1日
Published Date 2018/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205531
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要約 72歳,男性.初診2か月前に左鎖骨付近に有痛性の皮下硬結が出現し,MRIにて大胸筋内に32×23mm大の腫瘤を認めた.1か月後,痛みは増強し腫瘤もさらに増大,診断目的に皮膚〜皮下組織にかけての生検を実施した.皮下組織に好酸性の細胞質を持つ異型細胞が充実性胞巣を形成し,粘液を有する異型腺細胞と異型扁平上皮細胞の2成分から構成されていた.また,同時期に右上肺野に異常陰影あり,同部位の経気管支生検を行った.病理組織所見では扁平上皮癌の一部に腺性分化をした腺扁平上皮癌の所見を呈していたことから,左鎖骨付近の硬結は肺癌の筋転移と診断した.悪性腫瘍の骨格筋への転移は比較的稀といわれており,また転移性筋腫瘍の原発巣としては肺癌の頻度が高い.皮下硬結をみた場合は悪性腫瘍や転移性病変の可能性も考える必要がある.
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