Japanese
English
研究
唾液腺穿刺吸引細胞診―組織診と細胞診の不一致例の検討
Aspiration Cytology of the Salivary Gland, a Study of Discrepant Cases between Cytology and Histology
有光 佳苗
1
,
広川 満良
2
,
鐵原 拓雄
3
Kanae ARIMITSU
1
,
Mitsuyoshi HIROKAWA
2
,
Takuo KANAHARA
3
1エスアールエル西日本病理細胞診グループ
2徳島大学医学部第一病理学講座
3川崎医科大学附属病院病院病理部
1Anatomic Pathology & Cytology Group, SRL Nishinihon
2Department of Pathology, School of Medicine, University of Tokushima
3Department of Pathology, Kawasaki Medical School Hospital
キーワード:
唾液腺
,
穿刺吸引細胞診
,
診断精度
Keyword:
唾液腺
,
穿刺吸引細胞診
,
診断精度
pp.579-582
発行日 2000年5月15日
Published Date 2000/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904404
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唾液腺穿刺吸引細胞診83例における組織診と細胞診の不一致例を検討した.良性・悪性に関する不一致率は報告時22.9%,見直し時21.7%で,その内訳は採取不良例と診断困難例がほぼ半数を占めていた.採取不良例は良性病変の9.1%に,悪性腫瘍の17.6%にみられ,良性病変では炎症性疾患および神経鞘腫に頻度が高かった.推定病変に関する不一致率は報告時27.4%,見直し時14.9%で,非腫瘍性病変,悪性腫瘍での推定が困難であった.組織診断との不一致例を少なくするためには,診断に十分な量の細胞を病変部から的確に採取すること,診断者が各病変に特徴的な細胞像を熟知しておくことが肝要と思われた.細胞診における診断難解例として,非特徴的な細胞所見を呈する炎症性疾患,良悪性や由来細胞の判定が困難な神経鞘腫および悪性神経鞘腫,細胞異型の乏しい低悪性度群粘表皮癌,種々の成分が混在する悪性混合腫瘍などがあることを認識しておく必要があると思われた.
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