Japanese
English
症例報告
右耳輪の毛囊母斑の1例
A case of hair follicule nevus at the right helix
赤芝 知己
1
,
盛田 千登世
2
,
石河 晃
3
,
関根 万里
1
Tomomi AKASHIBA
1
,
Chitose MORITA
2
,
Akira ISHIKO
3
,
Mari SEKINE
1
1東京都保健医療公社荏原病院皮膚科
2盛田ひふ科
3東邦大学医学部皮膚科学講座(大森)
1Division of Dermatology, Ebara Hospital, Tokyo, Japan
2MORITA's Clinic, Tokyo, Japan
3Department of Dermatology, Toho University School of Medicine, Faculty of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
毛囊母斑
,
毛包腫
,
副耳
Keyword:
毛囊母斑
,
毛包腫
,
副耳
pp.789-792
発行日 2018年9月1日
Published Date 2018/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205526
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要約 13歳,女児.出生時より右耳輪に皮疹があったが放置していた.徐々に拡大し8歳頃から目立ちはじめ,気になって掻破するようになった.掻破時に出血するため切除を希望し,2017年3月下旬に当院を紹介され受診した.初診時,右耳輪に4mm大で境界明瞭な小結節があり,結節中央は角化し点状に痂皮がみられた.ダーモスコピーでは結節に点状出血がみられ,結節周囲に白色領域を認めた.病理組織像では真皮内にvellus hairを伴う毛包が増殖し,好中球,リンパ球の炎症細胞浸潤がみられた.深部には拡大した毛包や軟骨などがみられなかったことから,自験例を毛囊母斑と診断した.毛囊母斑はきわめて稀な疾患であり,過去にはcongenital vellus hamartomaの名称で報告され,現在も明確な定義と診断基準が確立していない.診断には毛包腫と副耳の鑑別が必要で,臨床所見および病理組織学的所見の理解が重要である.
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