Japanese
English
症例報告
陰囊内硬化性脂肪肉芽腫の1例
A case of intrascrotal sclerosing lipogranuloma
田蒔 舞子
1
,
飛田 泰斗史
1
,
浦野 芳夫
1,2
,
山下 理子
3
Maiko TAMAKI
1
,
Yasutoshi HIDA
1
,
Yoshio URANO
1,2
,
Michiko YAMASHITA
3
1徳島赤十字病院皮膚科
2徳島県赤十字血液センター
3徳島赤十字病院病理診断科
1Division of Dermatology, Tokushima Red Cross Hospital, Komatsushima, Japan
2Tokushima Red Cross Blood Center, Tokushima, Japan
3Division of Diagnostic Pathology, Tokushima Red Cross Hospital, Komatsushima, Japan
キーワード:
硬化性脂肪肉芽腫
,
陰囊内硬結
,
保存的治療
Keyword:
硬化性脂肪肉芽腫
,
陰囊内硬結
,
保存的治療
pp.693-697
発行日 2018年8月1日
Published Date 2018/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205503
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要約 64歳,男性.1か月前からの陰囊の硬結を主訴に受診した.異物注入や外傷歴はなかった.陰囊中央に無痛性硬結を2か所認めた.組織では真皮深層を中心に大小さまざまな空胞が多数散在し,空胞間に泡沫細胞,リンパ球,好酸球,異物型巨細胞が浸潤していた.病理所見と臨床症状より陰囊内硬化性脂肪肉芽腫と診断した.硬結は生検2か月後に無治療で消退し,5か月後も再発はみられていない.陰囊内硬化性脂肪肉芽腫は,以前は全摘術が行われていたが,自然治癒傾向が明らかとなり,近年の報告では生検後保存的療法が多い.1〜2か月で消失する例が多く,特徴的な形状,組織所見より本症と診断した後は,保存的に経過を見るべきと考えた.泌尿器科からの報告は散見されるが,皮膚科からの報告は稀である.皮膚科医も知っておくべき疾患と考え報告した.
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