Japanese
English
症例報告
内視鏡下副鼻腔手術後に生じた眼瞼部パラフィン腫の3例
Three cases of eyelid paraffinoma following endoscopic endonasal sinus surgery
川島 秀介
1
,
宮川 健彦
1
Shusuke KAWASHIMA
1
,
Takehiko MIYAKAWA
1
1船橋市立医療センター皮膚科
1Division of Dermatology, Funabashi Municipal Medical Center, Funabashi, Japan
キーワード:
パラフィン腫
,
異物肉芽腫
,
内視鏡下副鼻腔手術
,
眼窩紙様板
Keyword:
パラフィン腫
,
異物肉芽腫
,
内視鏡下副鼻腔手術
,
眼窩紙様板
pp.685-692
発行日 2018年8月1日
Published Date 2018/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205501
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要約 眼瞼部にパラフィン腫を生じた3例についてまとめた.症例は50〜60歳台の女性であり,すべて慢性副鼻腔炎に対して内視鏡下副鼻腔手術後に1日から2か月の経過で左上眼瞼に皮下結節を生じた.病理組織学的所見では,真皮中層から筋層にかけて大小さまざまな空胞構造がみられ,これらを囲むように多核巨細胞,類上皮細胞,単核球を認めた.経過と併せて,パラフィン腫と診断した.内視鏡下副鼻腔手術後の眼瞼部パラフィン腫の発症に関する病態は不明な点が多いが,原因として眼窩紙様板の損傷,術後の出血・血腫,術後鼻腔内へのワセリンガーゼの挿入などが考えられている.過去の報告のまとめから,これらの要因が複合的に関与している可能性が示唆された.術後合併症としての本症が皮膚科医・耳鼻科医に広く認知され,早期診断さらには予防策が講じられる必要がある.
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