Japanese
English
症例報告
上背部に生じたspindle cell lipomaの1例—MRI所見に関する考察も含めて
A case of spindle cell lipoma on upper back with findings from MRI images
志水 陽介
1,2
,
林 健
1
,
石河 晃
2
Yosuke SHIMIZU
1,2
,
Ken HAYASHI
1
,
Akira ISHIKO
2
1独立行政法人労働者健康福祉機構東京労災病院皮膚科
2東邦大学医療センター大森病院皮膚科
1Division of Dermatology, Japan Labour Health and Welfare Organization Tokyo Rosai Hospital, Tokyo, Japan
2Department of Dermatology, School of Medicine, Toho University, Tokyo, Japan
キーワード:
spindle cell lipoma
,
紡錘形細胞脂肪腫
,
MRI
Keyword:
spindle cell lipoma
,
紡錘形細胞脂肪腫
,
MRI
pp.435-439
発行日 2018年5月1日
Published Date 2018/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205440
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 75歳,男性.5年程前より上背部に皮下腫瘤が出現し,徐々に増大してきた.初診時,上背部に6×7cmの弾性軟で一部にやや硬な部分を触知する皮下腫瘤を認めた.MRIでは腫瘍内部に不均一な信号領域がみられ,脂肪肉腫を疑い全摘出した.病理組織像は,異型性のない成熟脂肪細胞と,CD34陽性の紡錘形細胞の増殖,ロープ状の膠原線維の増生を認め,spindle cell lipomaと診断した.本症は,臨床像,画像所見から脂肪肉腫との鑑別がしばしば問題となる.自験例の単純MRI検査で,T1・T2強調画像で認めた低信号域と一致して,脂肪抑制画像で抑制されない領域を認めており,過去の報告例でも同様の所見が報告されている.本症の確定診断には病理組織学的検討が不可欠であるが,中年男性に多い疫学的特徴,項部・肩・上背部に好発する部位的特徴に加え,単純MRI画像所見を考慮することで,術前に本症を疑うことができよう.
Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.