Japanese
English
症例報告
胸部に生じたSpindle Cell Lipomaの1例
A Case of Spindle Cell Lipoma Observed on the Breast
加藤 直子
1
,
権藤 寛
2
,
上野 洋男
3
Naoko KATO
1
,
Hiroshi GONDO
2
,
Hiroo UENO
3
1市立小樽病院皮膚科
2市立小樽病院外科
3市立小樽病院病理
1Department of Dermatology, Otaru City General Hospital
2Department of Surgery, Otaru City General Hospital
3Department of Pathology, Otaru City General Hospital
キーワード:
紡錘形細胞脂肪腫
,
胸部
,
電顕所見
Keyword:
紡錘形細胞脂肪腫
,
胸部
,
電顕所見
pp.69-72
発行日 1993年1月1日
Published Date 1993/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900801
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55歳男性の胸部に生じた紡錘形細胞脂肪腫の1例を報告した.臨床的には,胸骨上の皮下に無症候性で嚢腫状に触れる腫瘤で,組織学的には,大部分が成熟脂肪細胞による通常の脂肪腫様構造の周囲に,紡錘形細胞の増殖が厚く取り巻くように発達していた.器質には粘液性物質と膠原線維が豊富で,肥満細胞が散在していた.紡錘形細胞は比較的一定の方向を示しながら増殖し,部分的に脂肪細胞と紡錘形細胞が混在していた.免疫組織学的に紡錘形細胞はvimentinに陽性でS−100蛋白に陰性,脂肪細胞はvimentin,S−100蛋白ともに陰性であったが,紡錘形細胞内に小塊として存在する脂肪細胞の細胞膜および核の一部はS−100蛋白に陽性であった.電子顕微鏡的には紡錘形細胞は細胞膜の乏しい二極性の細胞で,周囲に膠原線維を豊宿に認めた.
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