Derm.2018
アレルギー刑事
花見 由華
1
1福島県立医科大学皮膚科学講座
pp.137
発行日 2018年4月10日
Published Date 2018/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205408
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今は全く面影がないとよく言われるが,子供の頃は体が弱く,テレビがお友達の時代があった.特にサスペンスドラマや刑事ものが好きで,体が丈夫だったら捜査一課の刑事になりたいと憧れていた.
大人になり皮膚科医になって,ある症例をきっかけに接触皮膚炎の犯人(原因物質)捜しが面白いと気づいた.所轄の刑事が足で稼ぐが如く網羅的にアレルゲンを貼って,思いがけない犯人があぶりだされることもあるし,推理して絞り込み,犯行に使った凶器の詳細(成分)まで当てたときは気持ち良い.しかも長年繰り返す湿疹に悩まされていた患者さんにも感謝された.事件解決である.食物アレルギーの犯人捜しも同じところがある.被害者(患者)から事件発生時(発症時)の詳細な聞き込みから捜査が始まる.推理して引っ張ってきた容疑者の面通し(プリックテスト)で犯人がわかることもあるし,再現実況見分(食物負荷試験)ではっきりすることもある.
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