Japanese
English
症例報告
発汗回復に伴い点状膨疹出現範囲が移動した減汗性コリン性蕁麻疹の1例
A case of cholinergic urticaria with anhidrosis and hypohidrosis showing alteration of pinpoint wheal areas upon remission
中澤 慎介
1
,
青島 正浩
1
,
龍野 一樹
1
,
戸倉 新樹
1
Shinsuke NAKAZAWA
1
,
Masahiro AOSHIMA
1
,
Kazuki TATSUNO
1
,
Yoshiki TOKURA
1
1浜松医科大学皮膚科学講座
1Department of Dermatology, Hamamatsu University School of Medicine, Hamamatsu, Japan
キーワード:
コリン性蕁麻疹
,
コリン作動性受容体
,
アセチルコリンエステラーゼ
,
ステロイドパルス
Keyword:
コリン性蕁麻疹
,
コリン作動性受容体
,
アセチルコリンエステラーゼ
,
ステロイドパルス
pp.374-378
発行日 2015年5月1日
Published Date 2015/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204450
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要約 27歳,男性.半年前から高温環境作業時に熱発し,ほとんど発汗しないことに気づいた.温熱による全身性発汗試験では,無汗部位と,ある程度の発汗を認める低汗部位とが区別され,点状膨疹は低汗部位に出現していた.アセチルコリン皮内投与により低汗部位に発汗が誘発され,無汗部位では誘発されなかった.免疫組織学的検査では,低汗部位よりも無汗部位においてM3コリン作動性受容体およびアセチルコリンエステラーゼの発現が低下していた.ステロイドパルス療法を行い,発汗量の促進と発汗部位の拡大をみた.その時点の温熱負荷試験において,点状膨疹は発汗完全回復部位には出現しなくなり,その周辺の低汗部位に認められた.回復の過程でコリン性蕁麻疹の出現範囲が,発汗程度に応じて変化することが示された.
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