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増刊号特集 最近のトピックス2014 Clinical Dermatology 2014
2.皮膚疾患の病態
アトピー性皮膚炎と汗抗原
Atopic dermatitis and sweat antigen
平郡 真記子
1
,
平郡 隆明
1
,
秀 道広
1
Makiko HIRAGUN
1
,
Takaaki HIRAGUN
1
,
Michihiro HIDE
1
1広島大学大学院医歯薬保健学研究院皮膚科学
1Department of Dermatology, Institute of Biomedical and Health Sciences, Hiroshima University, Hiroshima, Japan
キーワード:
アトピー性皮膚炎
,
汗抗原
,
マラセチア
,
MGL_1304
,
IgE
Keyword:
アトピー性皮膚炎
,
汗抗原
,
マラセチア
,
MGL_1304
,
IgE
pp.43-46
発行日 2014年4月10日
Published Date 2014/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103967
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要約 アトピー性皮膚炎患者は,発汗を増悪因子として訴えることが多い.また,アトピー性皮膚炎患者では皮内テストや末梢血好塩基球を用いたヒスタミン遊離試験で汗に陽性となることが知られており,その反応は抗原特異的IgEを介する即時型アレルギーであることは既に報告されている.しかし,その主要な抗原についてはまだ同定できていなかった.われわれは,アトピー性皮膚炎患者の末梢血好塩基球に対するヒスタミン遊離活性を指標にしてヒト汗を精製し,その主要抗原がMalassezia globosaから分泌されるMGL_1304という蛋白であることを証明した.MGL_1304のリコンビナント蛋白は汗から精製した抗原と同様に強いヒスタミン遊離活性を示した.また,MGL_1304はMalassezia globosaの菌体内では29kDaの蛋白として存在し,分泌後17kDaの成熟蛋白となることを確認した.さらに,ELISA法にて血清MGL_1304特異的IgE値を測定したところ,健常人と比較し有意に高値であり,その値は重症度と緩やかに相関することを確認した.アトピー性皮膚炎において,MGL_1304は汗中に含有される主要な抗原であり,その局在や皮疹の増悪の機序に対するさらなる検討が必要である.
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