Japanese
English
症例報告
Poroid cell neoplasmの1例—Hidroacanthoma simplexのダーモスコピー所見についての考察を加えて
A case of poroid cell neoplasm with insight into dermoscopic findings of hidroacanthoma simplex
大日方 夏美
1
,
岩村 麻貴
1
,
常深 祐一郎
1
,
川島 眞
1
Natsumi OBINATA
1
,
Maki IWAMURA
1
,
Yuuichirou TSUNEMI
1
,
Makoto KAWASHIMA
1
1東京女子医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Tokyo Women's Medical University, Tokyo, Japan
キーワード:
poroid cell neoplasm
,
hidroacanthoma simplex
,
ダーモスコピー
,
メラニン
Keyword:
poroid cell neoplasm
,
hidroacanthoma simplex
,
ダーモスコピー
,
メラニン
pp.323-327
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205357
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要約 83歳,女性.40歳頃に左腰部の結節に気付いた.その後徐々に結節周囲に褐色扁平小結節が増数した.初診時,左腰部に紅色結節があり,その周囲に軽度隆起する淡褐色局面を伴い,局面内には褐色扁平小丘疹が多発していた.ダーモスコピーでは,紅色結節部で乳白色の網目状構造がみられ,網目の部分は紅色領域でglomerular vesselsがみられた.結節周囲のびまん性淡褐色領域では,円形から長楕円形の褐色小球が多発していた.病理組織像は,中央の紅色結節部では充実性胞巣が表皮と連続して真皮内に索状に伸びて吻合していた.胞巣は主にporoid cellで構成され,cuticular cellは散在性に小管腔を形成していた.褐色扁平小丘疹部では表皮内に胞巣を形成し,胞巣を形成する細胞は紅色結節部と同様だが,poroid cellはメラニン顆粒を多く含み,ダーモスコピー像の褐色小球に対応していた.Eccrine poromaと異なりhidroacanthoma simplexのダーモスコピー所見は知られていないが自験例ではそれがはっきりしており病理組織学的構築を予想させるものであった.
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