Japanese
English
症例報告
眼瞼に生じたSmith型eccrine hidrocystomaの1例
A case of Smith type eccrine hidrocystoma arising on eyelid
青木 孝司
1
,
佐藤 洋平
1
,
下田 由莉江
1
,
山崎 好美
1
,
大山 学
1
Koji AOKI
1
,
Yohei SATO
1
,
Yurie SHIMODA
1
,
Yoshimi YAMASAKI
1
,
Manabu OHYAMA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine, Mitaka, Japan
キーワード:
eccrine hidrocystoma
,
エクリン汗囊腫
,
aquaporin-5
,
dermcidin
Keyword:
eccrine hidrocystoma
,
エクリン汗囊腫
,
aquaporin-5
,
dermcidin
pp.401-405
発行日 2020年5月1日
Published Date 2020/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206069
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要約 90歳,男性.約3年前から左下眼瞼に黒色の結節を自覚し,徐々に増大したため来院した.初診時,左下眼瞼に9mm大の黒褐色結節を認め,結節は粘膜面にも及んでいた.悪性腫瘍や血管腫を鑑別に考え皮膚生検を施行したところ,切開時に黒褐色調の排液がみられ,病変は縮小した.病理組織像では真皮内に二層性の立方円柱上皮に覆われ,囊胞状に拡張した導管様構造を認めた.明らかな断頭分泌像はなく上皮でエクリン汗腺に特異的なdermcidinの発現がみられたことからeccrine hidrocystomaと診断した.本邦では顔面に単発するSmith型eccrine hidrocystomaの眼瞼発生例は稀であることや,大きさ,色調が非典型的であったことが診断を難しくした一因と考えた.自験例では皮膚生検操作自体が悪性腫瘍との鑑別に有用であったのみならず,治療にもつながった.同様の症例では部位的に困難であっても積極的に皮膚生検を施行するべきであると考えた.
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