Japanese
English
症例報告
皮下腫瘤のみを呈した再発性AIDS関連型Kaposi肉腫の1例
A case of recurrent AIDS-associated Kaposi's sarcoma presenting with subcutaneous mass
小林 佑佳
1
,
藤井 麻美
1
,
東 祥子
1
,
小澤 健太郎
1
,
田所 丈嗣
1
,
爲政 大幾
1,2
Yuka KOBAYASHI
1
,
Asami FUJII
1
,
Sachiko HIGASHI
1
,
Kentaro OZAWA
1
,
Taketsugu TADOKORO
1
,
Taiki ISEI
1,2
1国立病院機構大阪医療センター皮膚科
2大阪国際がんセンター腫瘍皮膚科
1Division of Dermatology, National Hospital Organization Osaka National Hospital, Osaka, Japan
2Department of Dermatological Oncology, Osaka International Cancer Institute, Osaka, Japan
キーワード:
AIDS関連型Kaposi肉腫
Keyword:
AIDS関連型Kaposi肉腫
pp.139-143
発行日 2018年2月1日
Published Date 2018/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205317
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要約 37歳,男性.HIV(human immunodeficiency virus)感染症にて,頸部リンパ節Kaposi肉腫,腸Kaposi肉腫の既往があり,2年前に抗HIV療法を導入され,CD4陽性細胞数は600/μl以上と免疫状態は安定していた.左耳前部の皮下腫瘤を主訴に受診し,全切除した.病理組織学的には,皮下に結節性病変を呈し,核異型や核分裂像を伴う紡錘形細胞が束状に増殖し,赤血球の血管外漏出を認めた.免疫染色では腫瘍細胞はCD31,CD34,HHV-8が陽性であり,皮下に生じたAIDS(acquired immunodeficiency syndrome)関連型Kaposi肉腫と診断した.AIDS関連型Kaposi肉腫は,通常は紫紅色斑として発症し,徐々に隆起,増大して結節・腫瘤を形成するが,斑状病変を伴わずに皮下に腫瘤のみを生じることは稀である.AIDS関連Kaposi肉腫は免疫染色でHHV-8関連抗原を認めることが診断の一助となる.免疫状態が安定していたとしてもKaposi肉腫が発症しうることを認識しておく必要がある.
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