Japanese
English
原著
AIDS患者に生じたKaposi肉腫の1例
A Case of Kapcsi's Sarcoma Associated with AIDS
清水 宏
1
,
西川 武二
1
,
細田 泰弘
2
Hiroshi SHIMIZU
1
,
Takeji NISHIKAWA
1
,
Yasuhiro HOSODA
2
,
Danilos V. Filgueiras
3
,
Antar Padilha-Goncalves
3
1慶応義塾大学医学部皮膚科教室
2慶応義塾大学医学部病理学教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
2Department of Pathology, Keio University School of Medicine
3Department of Dermatology, Rio de Janeiro University School of Medicine
pp.379-385
発行日 1987年5月1日
Published Date 1987/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203651
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AIDS患者に生じたKaposi肉腫の1例を報告した.患者は45歳,ブラジル在住白人,男性同性愛者,日和見感染,体重減少,抗HTLV—Ⅲ抗体陽性等からAIDSと診断される.最近1〜2カ月の間に,頸部,躯幹,陰部周囲に赤ブドウ酒色の指頭大小結節あるいは扁平隆起性浸潤局面が約100個多発してきた.小結節は組織学的に真皮を上下に広く押し開くように増生する辺縁比較的明瞭な腫瘍巣から形成されている.腫瘍巣と被覆表皮との間には正常膠原線維層を認める,腫瘍細胞は,核小体が明瞭で大型多形な核を有する内皮細胞様細胞と紡錘形細胞から構成されており,それらが赤血球を有する小管腔を形成するように増生し,組織学的には典型的なKaposi肉腫の像を呈した.諸外国および本邦におけるAIDS患者の発生状況について現状を述べ,またKaposi肉腫を初めとする,AIDS患者に高率に出現することが知られている多彩な皮膚症状について言及した.
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