Japanese
English
症例報告
環指の腫脹で指輪抜去に難渋した皮膚リンパ管型Nocardia brasiliensis感染症の1例
A case of lymphocutaneous Nocardia brasiliensis infection with difficult ring removal from a swollen ring finger
北原 博一
1
,
佐藤 友隆
1
,
矢口 貴志
2
Hirokazu KITAHARA
1
,
Tomotaka SATO
1
,
Takashi YAGUCHI
2
1北里大学北里研究所病院皮膚科
2千葉大学真菌医学研究センター
1Department of Dermatology, Kitasato Institute Hospital Kitasato University, Tokyo, Japan
2Medical Mycology Research Center, Chiba University, Chiba, Japan
キーワード:
ノカルジア症
,
皮膚リンパ管型
,
Nocardia brasiliensis
,
ミノサイクリン
,
レボフロキサシン
Keyword:
ノカルジア症
,
皮膚リンパ管型
,
Nocardia brasiliensis
,
ミノサイクリン
,
レボフロキサシン
pp.77-82
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205303
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要約 78歳,男性.初診3週間前に墓地で転倒し,左手背と顔面に挫創を受傷,クラリスロマイシンを処方されたが,挫創が改善せず当科を受診した.左環指の腫脹が強く,指輪抜去困難であった.左手背および左肘関節内側に発赤と皮下腫瘤を認め,リンパ管に沿って症状が広がっていた.手背から採取した組織培養より放線菌が疑われ,16S rRNA遺伝子の塩基配列からNocardia brasiliensisと同定した.切開排膿の2日後に入院の上ミノサイクリンとレボフロキサシンの投与で症状は改善した.退院時に浮腫で抜去困難であった環指の指輪を外したところ,2日後に症状が再燃し,再度入院加療を要した.抗菌薬に加え,局所温熱療法を施行し退院した.土壌での挫創を契機に皮膚リンパ管型スポロトリコーシス様のリンパ管炎を伴う症例では,皮膚ノカルジア症も考え,皮膚生検と培養が重要である.また治療を妨げる器具は,早期に除去すべきと考える.
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