Japanese
English
症例報告
ダーモスコピー所見が診断に有用であった疣贅状表皮発育異常症の1例
A case of epidermodysplasia verruciformis in which dermoscopic features contributed to diagnosis
泉 祐子
1
,
川瀬 正昭
1
Yuko IZUMI
1
,
Masaaki KAWASE
1
1東京逓信病院皮膚科
1Division of Dermatology, Tokyo Teishin Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
疣贅状表皮発育異常症
,
ヒト乳頭腫ウイルス
,
皮膚悪性腫瘍
,
ダーモスコピー
,
免疫異常
Keyword:
疣贅状表皮発育異常症
,
ヒト乳頭腫ウイルス
,
皮膚悪性腫瘍
,
ダーモスコピー
,
免疫異常
pp.1105-1109
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205278
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要約 78歳,女性.20歳時に前額部に瘢風様の鱗屑を伴う褐色局面が出現し,疣贅状表皮発育異常症の可能性を指摘され,遮光するように指導された.2011年5月細菌性髄膜炎で当院内科に入院中当科を初診した.初診時,前額部,前頸部,胸部,背部に鱗屑を伴う褐色から紅色の局面がみられた.ダーモスコピー像では,角化と左右非対称な単一な網目状の褐色斑,淡紅色の領域がみられ,褐色斑は毛孔部を避けて分布していた.病理組織像では,厚い角質,表皮内に澄明変性細胞の集塊を認めた.また澄明変性細胞の核に一致して,抗human papillomavirus(HPV)抗体染色は陽性で,背部の鱗屑より抽出したDNAよりpolymerase chain reaction法にてHPV5型が検出された.疣贅状表皮発育異常症と診断した.明らかな免疫異常がなく,患者が遮光を長年行っていた結果,癌化はみられなかった.
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