Japanese
English
症例報告
機械的刺激部位に悪性腫瘍が多発した疣贅状表皮発育異常症の1例
A case of epidermodysplasia verruciformis associated with squamous cell carcinoma and basal cell carcinoma on the region susceptible to mechanical stimuli
玉城 裕妃子
1
,
神戸 直智
1
,
藤澤 章弘
1
,
松村 由美
1
,
是枝 哲
1
,
立花 隆夫
1
,
宮地 良樹
1
,
鄭 淑雲
2
,
安立 あゆみ
2
Yukiko TAMAKI
1
,
Naotomo KAMBE
1
,
Akihiro FUJISAWA
1
,
Yumi MATSUMURA
1
,
Satoshi KORE-EDA
1
,
Takao TACHIBANA
1
,
Yoshiki MIYACHI
1
,
Shukuun TEI
2
,
Ayumi ADACHI
2
1京都大学大学院医学研究科皮膚科学
2名古屋大学大学院医学系研究科皮膚科
1Department of Dermatology, Kyoto University Graduate School of Medicine, Kyoto, Japan
2Department of Dermatology, Nagoya University Graduate School of Medicine, Nagoya, Japan
キーワード:
疣贅状表皮発育異常症
,
非露光部
,
機械的刺激
Keyword:
疣贅状表皮発育異常症
,
非露光部
,
機械的刺激
pp.241-244
発行日 2008年3月1日
Published Date 2008/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101907
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要約 52歳,男性.両親がいとこ結婚.2~3歳時に,前額部に扁平疣贅様の皮疹および小指頭大の紅斑が出現し,顔面,四肢,体幹へと拡大した.27歳時に当科にて下腹部の基底細胞癌の切除を受け,同時に施行した紅斑部の皮膚生検の結果,顆粒層および有棘層に特有な澄明変性細胞がみられ,疣贅状表皮発育異常症と診断した.その後,患者は再診せず25年が経過した.52歳時に,外陰部の潰瘍を伴う出血性赤色腫瘤および体幹に多発する黒色結節を主訴に当科を再診した.露光部では25年前とほぼ同じ状態である一方,非露光部に有棘細胞癌と基底細胞癌が多発していた.靴下や下着などが擦れる部位に癌化を認めたことから,本症で非露光部に悪性腫瘍が多発する原因として,持続する慢性的な機械的刺激の関与が大きいのではないかと考えた.
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