疣贅状表皮発育異常症

＜症例のポイント＞疣贅状表皮発育異常症(epidermodysplasia verruciformis、以下、EV)は、常染色体劣性または伴性劣性遺伝疾患であり、EV型のヒトβパピローマウイルス(β-genotype human papillomavirus、以下、HPV)感染が関与している。Bowen病、有棘細胞癌(squamous cell carcinoma、以下、SCC)を高率に合併する。今回、左側頭部と右小指球部のSCC、体幹と右拇指のBowen病を合併した55歳のEVの1例を経験した。癜風様もしくは扁平疣贅様皮疹の免疫組織染色で、顆粒層に一致してHPV陽性細胞を多数認めた。血族結婚(従妹婚)の既往あり。